音楽

2014年12月22日 (月)

くるみ割り人形

 少し前のこと、小学校で『くるみ割り人形』の人形劇をしました。

午前中の休み時間での上演だったので、10分間の脚本を書き、チャイコフスキーのピアノ演奏にのせて、手作りの人形で演じた次第です。

私はと言えば、照明係とピアノの譜めくりと最後の花のワルツの連弾で参加いたしました。

https://www.youtube.com/watch?v=S_4dM-mpoEY

 さて、この『くるみ割り人形』と言えば、チャイコフスキーのバレエで有名ですが、E.T.A.ホフマンの童話 『くるみ割り人形とねずみの王様』 を原作としています。

Photo

 ホフマンさんについては、Wikipediaを参照すると:

エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン(Ernst Theodor Amadeus Hoffmann, 1776年1月24日1822年6月25日)はドイツ作家作曲家音楽評論家画家法律家。文学、音楽、絵画と多彩な分野で才能を発揮したが、現在では主に後期ロマン派を代表する幻想文学の奇才。

 ホフマンが若い頃に読んでいた作家はルソースウィフトスターンスモレットゲーテシラージャン・パウルなどと書かれていたのがちょっと興味深い。

 現実と幻想とが入り混じる特異な文学世界には好き嫌いがあることでしょうが、ホフマンがすごいのは、裁判官と作家の二重生活という所。

「法律家の家系に生まれ、自らも法律を学んで裁判官となるが、その傍らで芸術を愛好し詩作や作曲、絵画制作を行なっていた。1806年ナポレオンの進軍によって官職を失うとバンベルクで劇場監督の職に就き、舞台を手がける傍らで音楽雑誌に小説、音楽評論の寄稿を開始。1814年に判事に復職したのちも裁判官と作家との二重生活を送り、病に倒れるまで旺盛な作家活動を続けた。」

 

 

 ホフマンは人気作家であったものの、同時代で評価していたのはハインリヒ・ハイネアーデルベルト・フォン・シャミッソーだけだったとか。

シャミッソーと言えば、子どもの頃に読んだ『影をなくした男』を思い出します。

 ファウストは魂を悪魔に売りましたが、『影をなくした男』の主人公ペーター・シュレミールは灰色の服を着た奇妙な男に影を売ります。灰色の男は、上着のポケットから望遠鏡や絨毯、果ては馬を三頭も取り出して見せたりするのに、周りの人間はなぜか気にも留めていない。その男に対する興味とお金に困っていたという事情から、シュレミールは、望みのままに金貨を引き出せる幸運の金袋と引き換えに自分の影を渡すという取引きを承知するのです。
 

 何となく、ホフマンに似た雰囲気が感じられます。

シャミッソーも貴族生まれだったのにフランス革命の影響でベルリンに亡命したり、ナポレオンと戦って負けたりしているので、ホフマンと共通点もあったことでしょう。

 一方、ホフマンの評価はむしろドイツ国外で高まり、バルザックユゴーゴーティエジョルジュ・サンドミュッセヴィリエ・ド・リラダンデュマネルヴァルボードレールモーパッサンなどに大きな影響を及ぼし、ロシアではプーシキンドストエフスキーなどがホフマンの物語を愛好し、その影響はエドガー・アラン・ポーにも及んでいるそうです。

 その後、ドイツでもリヒャルト・ヴァーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『タンホイザー』『さまよえるオランダ人』にホフマン作品の暗鬱で神秘的な影響が伺われる、とは恐るべきホフマンだと思いませんか?

 

 ホフマン作品を基にした楽曲はバレエ『くるみ割り人形』だけではなく、『コッペリア』(原作『砂男』)やオペラ『ホフマン物語』(『大晦日の夜の冒険』『砂男』『クレスペル顧問官』の3作を翻案)など。

 そう言えば、シューマンも影響を受けていました。ピアノ曲集『クライスレリアーナ』はホフマンの同名の作品から霊感を得て作られました。

 私も幻想の世界をさまよってみようかなあ・・・

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2014年10月22日 (水)

タイスの瞑想曲を巡る迷走

 先日はハープの伴奏でヴァイオリンの♪タイスの瞑想曲♪を聴いたのですが、ピアノの音よりも柔らかい感じがしてなかなか良かったです。

 

 どこかで聴いたことがあるはずですが、こんな感じの甘いメロディーです。演奏は頭がボンバーな太郎氏で。

https://www.youtube.com/watch?v=luNJ0K8JmxQ

 この曲はオペラ「タイス」の中の第2幕第1場と2場の間に演奏された間奏曲だそうです。

 

 Wikipediaによると、アナトール・フランス『舞姫タイス』を原作としたジュール・マスネ作曲のこのオペラは1894年に初演とのこと。

タイスって誰なの?

と思ったわけですが、どんな話なのかと気になりますよね。

http://www2.biglobe.ne.jp/~endoy/mtune67.html によりますと、

古代エジプト、アレクサンドリアを舞台にした、遊女タイスと修道士アタナエルの物語。アタナエルは、アレクサンドリアの街が頽廃しているのはタイスのせいだと考えて、彼女を改悛させようと手を尽くします。タイス自身も自分の享楽的人生に虚しさを感じていたので、アタナエルの話を聞き入れ、宗教に帰依することにします。

ところが、どんどん信仰の道に入っていくタイスに、いつしかアタナエルは恋をしてしまう。しかし、その想いを伝えないうちにタイスは修道院で死んでしまい、アタナエルは絶望する・・・。「ミイラ取りがミイラになる」話だと注釈されていました。

 オペラの中では、タイスがアタナエルによって改悛させられる場面でこの曲が流れるのです。

 ふーん、なるほど。

 あらすじだけ読む限りでは、タイスに想いを打ち明けられぬまま死なれてしまって絶望しているアタナエルの苦悩の物語のように思えるのだけど、こんな苦悩の場面の曲なんかは共感されないのかな~

 そう考えると、どうやら、観客は女性に反省させるのが好きらしい・・・

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2014年6月28日 (土)

羽生結弦君はショパンバラード1番で4回転を飛ぶらしい

久々に音楽カテゴリーの話。

今日こんなニュースを読みました。

「フィギュアスケート男子のソチ冬季五輪金メダリスト、羽生結弦(ANA)が27日、新横浜スケートセンターで行われたアイスショー「ドリーム・オン・アイス」に出演し、来季のショートプログラム(SP)を初めて披露した。」

知人がユヅ君に会いに行くと言っていたのはコレだったんだ、と納得。

 もちろん、羽生選手はかっこいいけど、ショパンのバラード1番も素敵です。

音源:https://www.youtube.com/watch?v=RR7eUSFsn28

(Zimermanは顔で演技してますね~)

 バラード1番は、最初は簡単なのだけど、最後が大変という印象なので、譜読みはしたものの先に進みません。バラード4曲の中では人気ナンバーワンのようですが。

 

 折角なのでWikiから紹介:

フレデリック・ショパンバラード第1ト短調作品23は、ショパンが作曲した最初のバラード(譚詩曲)で作曲家初期の代表作である。パリ滞在中の1831から1835に作曲、1836に出版された。

ショパンのバラードは作曲家の祖国であるポーランドの詩人、アダム・ミツキェヴィチの愛国的な詩に啓発されたといわれることもあるが、標題音楽のように詩と曲との関連を明確に見いだせる箇所は存在しない。

 そう言えば、映画『戦場のピアニスト』でもバラード1番が演奏されていたのを思い出します。

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この映画は、第55回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実体験を綴った回想録を基に、戦火を奇跡的に生き延びたピアニストとその生還に関わった人々の姿を描いています。 

 あまりに悲惨で(現実は情け容赦なくもっと酷かったに違いないのだけど)、途中でビデオを見るのが嫌になってしまっただけに、最後のバラードの演奏が印象的でした。

どこかで、「過剰な演出を抑え事実に基づき静かに力強く描く」と評されていましたが、その通りで、監督自身のゲットーで過ごした過酷な体験がそのまま反映されているようでした。

 憲法解釈を無理やり変えて集団的自衛権を導入することで、日本が戦場になりませんように。

 さて、羽生選手はどんなバラードを舞うのでしょうか?

やはり東日本大震災への思いが込められるのでしょうか。

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2014年4月28日 (月)

軽快なロシア近代音楽の父

今まであまり交響曲を聴いていなかったので、グリンカを聴くのも初めてでした。

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聴いたのは、歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲でこんな曲。

http://www.youtube.com/watch?v=-giL1kkyqKM

なかなか軽快、メロディーも伸びやかで元気が出る曲です。バイオリンの弓が忙しそうに反復する様子が想像できます。

解説によると、ベートーヴェンのようなモチーフの展開ではなく、テーマの反復に特徴があります。だから、わかりやすく、楽しく聞きやすいのでしょう。

ご参考までに、「ルスランとリュドミラ」がどのようなオペラかご紹介しましょう。

アレクサンドル・プーシキン1820同名の詩に基づき作られた、古代ロシア、キエフ大公国を舞台にしたオペラです。

スヴェトザーリ大公の娘リュミドラ姫は3人の若者、ファルラーフ騎士、ラトミール王子とルスラン騎士(以降、敬称略)から求婚されていた。その中から選ばれたのはルスラン。ところが、二人の婚礼の祝宴の場に魔術師チェルノモールが現れ、花嫁がさらわれてしまう!

大公は言います。

「娘を助け出した者と娘を結婚させよう!」

**

リュミドラ姫を助けに行くルスランを助けるのが、親切な白魔術師フィン。

一方、臆病者のファルラーフが姫を捜す旅を続けようかどうか悩んでいた時に、老魔女ナイーナが近づいてきて、彼に言います。

姫を手に入れ、ルスランを遠ざけてあげよう」

<白魔術師フィンと老魔女ナイーナの間には深い愛憎の過去があるが詳細は省略>

それはさておき、ルスランは、老魔女ナイーナの罠にまんまとはまり、綺麗なお姉さんゴリスラヴァの誘惑に負けそうになりますが、困ったときにはいつも白魔術師フィンが助けに来ます。

フィンの予言によると、「ラトミールとゴリスラヴァ、そしてルスランとリュドミラ姫が結ばれるべきだ」とのこと。

**

一方、チェルノモールに捕えられたリュドミラ姫はルスランが助けに来ることを信じて待っています。ところが、ルスランが到着したことがわかると、姫は眠りの呪文をかけられてしまいます。

ルスランはチェルノモールと闘いあっけなく勝利。しかし、リュミドラ姫は目を覚まさない。

ルスランは、ラトミールとゴリスラヴァと共に嘆き悲しみますが、魔法使いの助けを得るため、姫を連れてキエフ大公国に帰ることにします。

ところが大変、旅の途中でまたリュミドラ姫がさらわれた!

ルスランが姫を探して出発してしまった後に、白魔術師フィンが現れて、ラトミールに魔法の指輪を渡します。

「これを使えば、姫の目は覚めるはずだ」

**

その頃、リュドミラ姫は、大公の宴会場で眠っていた。ファルラーフは、老魔女ナイーナに助けてもらって姫をさらってキエフ大公国に戻ったものの、姫を目覚めさせることができない・・・

誰もが期待するように、そこに、ルスラン、ラトミール、ゴリスラヴァが到着。

姫は、魔法の指輪のおかげで無事、目を覚ましました。

めでたし、めでたし。

ロシア近代音楽の父であるグリンカを神のようにあがめ、その弱点も理解していたのがチャイコフスキーだそうです。

そのせいかわかりませんが、チャイコフスキーの交響曲第4番第4楽章が、「ルスランとリュドミラ」序曲へのオマージュのように聴こえます。

どこか似ていると思いませんか?

http://www.youtube.com/watch?v=lEXYYpLa8VQ

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2014年4月22日 (火)

秘密だが親しみやすく:チャイコフスキーのロメ&ジュリ

 先日のブラームス交響曲第3番と一緒に聴いたのが、チャイコフスキーの『幻想序曲ロメオとジュリエット』でした。

 ブラームスの重厚さと対比させているプログラムだったせいか、余計に甘美にドラマチックに聴こえました。

こんな曲です。私は、ほんの数か所出てくるシンバルの部分が好きです。

http://www.youtube.com/watch?v=Cxj8vSS2ELU

 パンフレットのチャイコフスキーについての解説によると:

「才能もあるし、魅力的だったのですが、彼には大きな秘密があったようです。実は彼は同性愛者だったという説があります。この時代は今のように受け入れられる風潮がなかったため、カミングアウトしようものならシベリア送りにされてしまうこともあったようで、そのことに苦しみ、罪悪感さえ感じながら、彼は人間が抱えざるを得ない苦しみと宿命を理解し、音楽に深みを加えていったのです・・・」

 そんな話は、クラウス・マン(トーマス・マンの息子)も『小説チャイコフスキー』で読んだことがあるように記憶しています。

 とても興味深いことに:

「この曲は、チャイコフスキーが、異性愛の生き方を選ぼうと試みた相手デジレとの失敗を一掃すべく書かれたものでもあるのです。音楽の中に作り出した理想のヒロインと恋に落ちるという、ロマンチックな夢想によって、人生の満たされぬ思いを音楽の中で充足させようとしていたのでしょうか。」

 さて、ロメオとジュリエットと言えば、長年反目するモンタギュー家とキャピレット家の若いふたりが、情熱的な恋に落ちるものの、最後には命を落としてしまうというシェイクスピアの戯曲です。

Wikipediaにはこんな官能的な絵画が!

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 Wikipediaを見る限りでも、ミュージカル、映画、テレビドラマ、小説、オペラ、バレエそして音楽(ついでにアニメ!)で題材となっているので、いかに大衆に好まれるテーマかわかりますね。

シェイクスピアは、ロメ&ジュリをギリシャ神話の『ピュラモスとティスベ』に啓発されて書いたそうです。

 Wikipediaによると、もとのはこんな話です。

昔々、美青年ピュラモスと美少女ティスベが、同じ家屋の壁一枚で仕切られた隣同士に住んでいた。

(西洋風長屋なのかな?)

いつのまにか互いに深く恋い慕うようになっていた。しかし、両家の親同士は互いに折り合いが悪かったので、顔を合わすことも許されない。そこで、厚い壁に一か所だけ空いた小さな隙間を通して二人は毎夜密かに愛をささやきあった。

(座敷牢みたい・・)

そして、とうとう決心。駆け落ちしよう!

待合せ場所は、街のはずれの墓地。

約束の晩、ティズベは親たちが寝静まるのを待ってからそっと家を抜け出した。

待合せ場所には、ピュラモスはまだ来ていない。小さな泉のほとりにある、白い実をつけるの木の下でしばらく待っていると、突然、闇の中から猛獣のうなり声!

これは大変!!ティズベはあわててその場から逃げ出したが、頭にかぶっていたベールを落としてしまった。
姿を現したのは、口元を血で染めた一頭のライオン。どこかで家畜を殺して食べ終えた直後らしい・・・

さて、ピュラモスが待合せ場所にやって来た時、ティズベの姿は無く、あるのはライオンの足跡と血で汚れ引き裂かれたベール。

彼は恋人がライオンに食べられたのだと勘違いし、絶望のあまり身に携えていた短剣で自殺してしまった!!

もう大丈夫だろうと思って待合せ場所に戻って来たティズベは、自分のベールを握りしめて息絶えているピュラモスを発見。・・まだ温もりが残る刃を同じように自らの胸に当て、彼女も後を追った。

翌日になって、事の次第を全て知った両家の親たちは深く嘆き悲しむ。そして、二人への償いとして、同じ墓に埋めてやった。
桑の木はこの悲恋の結末を見届けていた。それ以来、飛び散り流れ出した二人の血で染まったような赤黒い実をつけるようになり、恋人たちの深い悲しみと永遠の愛を今に伝えているという。故に桑の木は「ピュラモスの木」(: Pyramea arbor)とも呼ばれている。

ご参考までに、桑の実の画像。

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 やはり、バルコニーに忍び込むというのが舞台設定としては最高のシチュエーション。それを創作したシェイクスピアはすごいと思いませんか?

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2014年4月20日 (日)

自由だが喜ばしく:ブラームス交響曲第3番

ブラームス交響曲第3番を聴きました。

http://orchestrawindstille.net/

 都内大学オーケストラ出身の社会人で構成されているオケですが、とても素晴らしい演奏でした。会場もちょうど良い大きさで、しかも、舞台がちょうど目の高さで見渡せる席で聴けたので、演奏者の息遣いまで伝わってきます。

 改めて、アマチュアオーケストラのレベルの高さを感じました。

 さて、聞き手の私の方は、情けない限りで、前日にYoutubeで「ブラームス第3番」がどんな曲なのかあわてて予習しました。確かに、3楽章は有名になるのがわかるなあと思ったり・・・。

 

http://www.youtube.com/watch?v=kL6pOoy8v4o

 ブラームスと言えば、いつもワーグナーと対比されます。パンフレットによると、ワーグナーは、「究極のナルシストで、Sっ気が強かった。音楽の作り方も俺様キャラをとことん貫いた人物」だったとのことです。

 もしもワーグナーがいなかったら、ブラームスにしてもベートーヴェンからの伝統性を継承する路線にはならなかったのかもしれません。重厚で気難しい感じがする曲目の中に垣間見られる柔らかい軽やかさ。ブラームスの人生にもっと触れてみたくなりました。

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2014年4月 9日 (水)

パガニーニに魅せられて

今、ラフマニノフによるアンダンテ・カンタービレを練習中です。この曲は、パガニーニ・ラプソディの第18変奏として有名です。

http://www.youtube.com/watch?v=b85hq5mSPXw

ちょっとゆっくりめのオーケストラ版アシュケナージの演奏(抜粋ですが)によると:

http://www.youtube.com/watch?v=uSDRCZPwiw8

 パガニーニ(1782~1840年)と言えば、イタリアのヴァイオリニスト、作曲家ですが、その超絶技巧は名高く、ラフマニノフだけではなく様々な作曲家がパガニーニの主題により作曲しています。

250pxniccolo_paganini01

ちなみに、パガニーニの第24番の原曲はこのような曲です。

http://www.youtube.com/watch?v=vPcnGrie__M

 

 どのような作曲家達がパガニーニの主題に魅せられてきたかについて、Wikipediaからその一部を引用すると:

☆第24番「主題と変奏」(原曲は上でご紹介)  

  • フランツ・リスト 
    •  
    • パガニーニによる超絶技巧練習曲集       S.140 より第6 イ短調「主題と変奏」
    •  
    • パガニーニによる大練習曲       S.141 より第6曲「主題と変奏」

     Youtubeからの音源ですが、

http://www.youtube.com/watch?v=vjbGKlUPacU

 

     Youtubeからの音源からキーシンの演奏

http://www.youtube.com/watch?v=fihjGJ0Brw0 (1巻目)

 

 

     Youtubeからの音源ですが、http://www.youtube.com/watch?v=o1Y6NrYtVBc 

の16:12あたりからアンダンテ・カンタービレです。かっちりとしたパガニーニ主題変奏曲の中にこんなほんわかした1曲をさりげなく挿入してしまう所に、ラフマニノフのセンスの良さ(あるいは自信?)を感じてしまうのです。

☆鐘のロンド

  • フランツ・リスト 
    •  
    • パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲       S.420
    •  
    • パガニーニによる超絶技巧練習曲集       S.140 より第3 変イ短調「ラ・カンパネッラ」
    •  
    • パガニーニによる大練習曲       S.141 より第3 嬰ト短調「ラ・カンパネッラ」(一般にピアニストのレパートリーとしての「鐘(ラ・カンパネッラ)」はこの曲を指す)

  ピアノ版を聴きたい方は、辻井さんの演奏でどうそ。

http://www.youtube.com/watch?v=v9fo3FoHDBc

 ちなみに、ヴァイオリン原曲はこんな感じです。

http://www.youtube.com/watch?v=ra-mRawdH3o

やっぱり、イケメンヴァイオリニストの方が見ていて楽しいかな。

http://www.youtube.com/watch?v=3a4eL9L5tVQ

           

      ☆ヴェネツィアの謝肉祭

       「パガニーニの思い出」はとてもかわいい曲です。

      http://www.youtube.com/watch?v=zQ9MJ4OqVSA

      でも、やはりヴァイオリン原曲の方が自由気ままで楽しそうな感じがします。

      http://www.youtube.com/watch?v=MsagjKAZrz0

       

         

         

       

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      2014年1月29日 (水)

      ご機嫌な鍵盤楽器とは

      Image_2

       バッハの平均律を聴いていたら、今頃になって平均律がThe Well-Tempered Clavierであることに気づきました。

      http://www.youtube.com/watch?v=ikbQ4lThJGo

       

       何でなんだろうとぼんやり考えていたら、同様に異を唱える方がいらっしゃいました。

      http://www.ozsons.com/Well-temperedClavier.htm

      平均律と翻訳したのは誰の仕業なのでしょうか。temper=調律する、という意味ですから、上手く整調した鍵盤楽器という意味しかありません。

       ちなみに、Weblioで調べてみると:

      The sword is well tempered.

      焼きが好い - 斎藤和英大辞典

      The blade is not well tempered.

      焼きが甘い - 斎藤和英大辞典

       逆に悪い方はどうかと言うと:

      He is irritable―irascible―passionate―choleric―quick-tempered―short-tempered―hot-tempered―ill-tempered―quick to take offence.

      怒りやすい - 斎藤和英大辞典

      The Edokko is short-tempered―quick-tempered.

      江戸っ子は気が短い - 斎藤和英大辞典

       

       上手く調整されている鍵盤楽器なのですから、弾けばご機嫌になると解釈することにしました。

       

       さて、ill-temperedと同様の意味でfoul temperというのを聞いたことがあります。

      Image_3

       数年前にNotting Hillにはまって、シナリオをダウンロードした時に見つけたのですが、こんな会話でした。

      http://www.angelfire.com/movies/coolscreenwriter/scripts/nothill.txt

      アナは人気女優であるのに対し、ウィルはノッティングヒルに
      住むさえない書店の店長。
      アナがウィルに、本当はあなたが好きなのよとコクるのですが、
      ウィルは、何とこんなことを言ってアナを断ってしまうのです。
       
      The truth is... with you, I'm in real danger. 
      It took like a perfect situation, apart from 
      that foul temper of yours 
      -- but my relatively inexperienced heart would, 
      I fear, not recover if I was once again cast 
      aside, which I would absolutely expect to be.
       
      本当のところは、君といると実に危険なんだ。
      君の「怒りっぽい」所を除けば、僕たちは申し分なく
      うまくやっていけるようだった。
      でも、僕の心は、あまり経験が豊富でもないから、
      また君にお払い箱にされたら、いや絶対そうなっちゃうと
      思うんだけど、そうなったら立ち直れないよ。
       
      アナはウィルの断りの返事を聞いて、こう言います。
       
      The fame thing isn't really real, you know. 
      Don't forget -- I'm also just a girl. 
      Standing in front of a boy. 
      Asking him to love her.
       
      有名なことなんて本当は本物じゃないの、わかるでしょ。
      忘れないで、私も一人の女の子よ。
      男の子の前に立って、愛してほしいって頼んでいるの。
       
       
      この台詞いいですね~
       
       

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      2014年1月27日 (月)

      グールドの《ゴルトベルク変奏曲》

      白状してしまうと、昔からバッハとチェルニーが嫌いでした。ソナチネやソナタは誰のでも好きでしたが、バッハインベンションや100番、30番、40番と続いていくあのチェルニーの練習曲は背表紙を見るだけで絶望的になった。そこで、ショパンを見つけるとさっさと先生の下を去ってしまったのです。

      大人になってまたピアノを練習するようになった時、インベンションは真面目に弾きました。しかし、またまた悪い癖で、平均律はすっとばしてイギリス組曲に走ってしまいました。ショパンがあんなにまで愛した平均律を弾かないなんて、やはり罰当たりなことだと思う。

      最近になって、グレン・グールドのバッハを聴いていると、ああこういう曲だったのかととても新鮮だったりします。そんな話を先日ピアノの先生にしたら、グールドは好き嫌いが分かれる演奏家ですねとおっしゃった。確かに。

      Image_2  Image

       そのグールドがデビュー盤に選んだのが《ゴルトベルク変奏曲》。Wikipediaによると、この曲は、もともと2段の手鍵盤のチェンバロのための練習曲で、ピアノが主流になってしまった時代にはあまり演奏されなかったそうです。それゆえに、グールドがレコード会社の反対を押し切って1956年にリリースし、それが世界的なヒットになったのは素晴らしいことだと思います。

      http://www.youtube.com/watch?v=N2YMSt3yfko

      これは、1981年の演奏ですが、ピアノの先生によると、若いころの演奏と聴き比べると面白いとのことでした。

      ご参考までに、実際に聴き比べができる音源がありました。

      http://www.youtube.com/watch?v=fJ59eJXb29A

       やはり、グールドは見ているだけで面白いです。お父さんが作ったという低い椅子で、とても楽しそうに演奏しています。人に聴かせているのではなく、自分の世界にどっぷりと浸って弾いているという感じ。あれ?混線しているのかしら(電話じゃあるまいし)と思って良く聴いてみると、弾きながら歌っているらしくその歌声まで録音されています。1960年には、スタインウェイのピアノを弾いて手が痛くなったのはスタインウェイ社のせいだと訴訟を起こしました。同社が賠償金を支払ったのは、もちろん、相手がグールドだったからに違いありません。

       

       ロマン派は嫌いだというグールドですが、珍しくショパンソナタの音源がありました。この曲は私も弾いたことがあります。他の演奏家との違いなどはよくわかりませんが、とてもきれいに弾いていると思います。

      http://www.youtube.com/watch?v=arfYFtc7hlw

       ついでにベートーヴェンソナタ。あまりベートーヴェンぽくなく聴こえるのが新鮮かな。

      http://www.youtube.com/watch?v=jHku-o_8eak

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      2014年1月 7日 (火)

      家族に天才がいるのは想像を絶するほど大変なこと

       はじめて、ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏を聴いたのは、セザール・フランクのイ長調チェロソナタでした。この曲は、もともとヴァイオリンソナタで、その旋律はフランス音楽史上最高に美しいと言われています。この時はジャクリーヌが夫だったダニエル・バレンボイムの伴奏でチェロを弾いていました。彼女が引退する少し前のことでした。

      第4楽章ですがYouTubeにありました。

      http://www.youtube.com/watch?v=vj_9OvG9pj4&list=PL0C7C08E96D92D9ED

       ジャクリーヌは、16歳にしてチェロ演奏家として不動の地位を確立し、21歳でバレンボイムと結婚しますが、26歳頃から指先の感覚の鈍化に気づき、28歳で引退。そして、脳、脊髄、視神経に病変が起こる多発性硬化症という難病で、42歳で亡くなっています。

       バレンボイムは、ジャクリーヌ生存中からロシア人ピアニストと同棲していて既に子供が二人もいて、ジャクリーヌが死ぬやいなや正式に結婚しています。この記述を読むと誰しもジャクリーヌに同情したくなりますが、いろいろと複雑な事情があったようです。

       ジャクリーヌの姉ヒラリーと弟ピアスによる『風のジャクリーヌ ある真実の物語』には、ジャッキーの思い出が綴られています。

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       ヒラリーは書いていました。

      「・・家族であるがゆえに、私達は彼女の天分をある意味で自然で正常なものだと受け止めていた。しかし今となってわかるのだが、天才というものは実は極めて稀なものなのだ。天才は普通の人々とは全く異なる。だから、普通の人の生活を天才に押しつけようと試みるのすら無理なのだ。明らかにジャッキーは彼女の奥深くにある何かに突き動かされていた。そして、まわりの人達は、彼女という本流に押し流されるしかなかったのだ。天才は己の天分を開花させるために、特殊なある種の環境を要求する。そして、その環境にはまた別の才能の存在が必要なのだ。例えば、母の才能はジャッキーの素質を直感的に見抜き、徹底した音楽教育を授け、ジャッキーの天分を開花させる基礎を築いた点にあり、一方、父の才能はそんな母を全面的に信頼し、安定した家庭と金銭的な援助を提供した部分にある。」

       夫ダニーとうまくいかなくなり生活にも疲れて、精神的に不安定になった時に、いつものようにジャッキーはヒラリーに助けを求めて来ます。もちろん、ヒラリーは迷いなく彼女の要求を受け入れます。ジャッキーを助けるために、ヒラリーは最愛の夫キーファに精神安定剤、高鬱剤としての性的関係を強要しました。この事実は、世間に衝撃を与えました。

       夫を捧げると言うのは一般の人には理解を超えた行為ではないか、とインタビューで聞かれた時に、ヒラリーはこう答えました。


      「でも、それは私にとってはごく自然のことだったのよ。小さい時からずっとしてきたことの続きに過ぎなかったから。もし、私がジャッキーと夫のことを拒んで、それでジャッキーが、音楽家として立ち直ることができなくなってしまったら、私は一生自分を許せなかったでしょう・・・。」

       家族に天才がいなくて良かったと思うのは私だけ?

       

       

       精神的に不安定になったジャッキーはダニーに対して、口では言えないくらい意地悪だったと言う証言もあります。しかし、ヒラリーの一般人には信じられない献身により回復したジャッキーは、もうすぐ27歳になるという時に、ダニーとも和解して、再び音楽でコミュニケーションがとれるようになります。その時レコーディングしたのが、ショパンのト短調チェロソナタとフランクのイ長調チェロソナタだったのです。これが、彼女にとって最後の録音となります。

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